陸水学・水環境

ラッキー!

10年ぶりに本気出して書いた論文が査読から戻り、修正しています。査読者から指摘されたことに回答するための証拠って、フィールド系の場合は実験し直す、観察し直すことはほぼ不可能なので、既報から使えるケースを探すことになります。おもしろいことに、…

国の統計は役立たず!

ワカサギの漁獲量が全国的にはどうなっているのか、政府統計を調べました。2016年の漁業統計は下記にまとめられています。 www.e-stat.go.jp湖沼での漁業は「内水面」としてまとめられており、2016年の「内水面漁業漁獲量 (1)都道府県別・魚種別漁獲量」のエ…

カエルグッズ

また買っちゃいました。。。 下の写真は前からいるカエルグッズのほんの一部です。置物から始まり、文房具、石けん入れ、温度計など、カエルがあしらってあれば衝動買い。海外でも時間さえあればカエルはいないかと探し回っています。 いまのところカエルグ…

魚が多いのは人工湖岸で水草も生えない湖

日本の湖での漁獲量の多くは二枚貝のシジミですが、シジミを除くとワカサギ、シラウオ、エビ、鯉・鮒などが主要種です。下記はそのワカサギ、シラウオ、エビの漁獲量トップ5県で、茨城は「霞北」で採れていることが分かります(出典はH30年「霞ヶ浦北浦の水…

WANTED フナムシ情報

ゴキブリに似ていると嫌われがちなフナムシですが、個人的にはつぶらな瞳が可愛い生物だと思ってます。そのフナムシ、私が子供の頃(1960年代)、父に連れられ大和川の河口でハゼ釣りをしていたとき、打ち上げられた緑藻類にフナムシがたかっていて、きれい…

汽水域を守る人達

日本水環境学会汽水域研究員会は、汽水域の研究に関する情報交換や社会への還元を目的に、主に物理・化学系の研究者で構成されています。汽水域は塩分成層や高濁度層が形成されやすく、そのため貧酸素化も容易に起こる特徴的な水域です。そのような水域の物…

5年後の宍道湖漁業は?

日本の川や湖沼はつい戦前まで、水草が洪水や台風による波浪などで一掃される自然環境にありました。湖では加えて、水草を徹底的に刈り取って肥料にしていました。もし水草を刈り取らなかったらどうなるか。下の写真は東シベリアの最大水深1mの湖沼です。基…

シオグサは塩水に生えるにあらず

宍道湖ではシオグサと呼ばれる底生緑藻が異常繁茂していて、一部の地元研究者が「塩分が高くなると、もっとひどいことになる。」と言いふらしているようです。 シオグサ属(Cladophora)は名前に「塩」とありますが、淡水から海水まで幅広く分布し、海外では…

川えびを食べよう!

茨城県にある霞ヶ浦北浦は、川えび(テナガエビ)の漁獲量が全国一なんだそうです。霞ヶ浦西浦(西側にある、いわゆる「霞ヶ浦」)よりも集水域が少なく、水田からの殺虫剤が少ないからだろうと思います。エビ類は昆虫と同じ節足動物なので、ネオニコチノイ…

当たれ!宝くじ

バイカル湖が一段落したので、しばらく行けてなかったミンダナオの沿岸生態系保全の仕事をしようと、助成申請書作りに励んでいます。学振の二国間など政府がからむ予算は、フィリピン大学がパートナーでないとフィリピン側で落とされてしまうので、今回は民…

対露支援

4月23日記事でご紹介した通り、バイカル湖への排水規制を緩和する法律は廃案になりました。これを受けてロシア政府はバイカル湖への汚濁物質流入負荷の削減に取り組むことになり、廃案への呼びかけの中心となったLimnological Institute(陸水学研究所)の所…

水草堆肥化は税金の無駄遣い

宍道湖では異常繁茂するようになった水草を、堆肥にして有効利用しようとしています。https://mainichi.jp/articles/20180924/k00/00m/040/048000cこれは税金の無駄遣いにしかなりません。なぜか。1950年代まで肥料用に水草を採草していたのが廃れたのは、除…

リュウノヒゲモ

リュウノヒゲモは日本各地で絶滅が危惧されている水草です。宍道湖では、同じく絶滅が危惧されているツツイトモが湖内の広範囲に生い茂り、湖底のヘドロ化や酸欠を招き、二枚貝シジミの大量斃死の原因になっていると疑われていました。その宍道湖と周辺の水…

バイカル湖のマイクロプラスチック汚染

バイカル湖のマイクロプラスチックについて、マイクロFTIRを使って成分構成も明らかにした研究が、ヘルシンキで開かれるSETAC EUROPE 29th ANNUAL MEETINGで、5月27日(月)にポスター発表されます。ポスター番号はMO250です。バイカル湖については、世界で…

宍道湖、卒業します!

20歳から続けてきた宍道湖研究、発端は宍道湖淡水化問題で、淡水化したら底生動物はどうなるかで卒論・修論を書き、中でもヤマトシジミがいなくなることで水質がどうなるかで学位を取りました。以来、手を変え品を変え助成金を取り続けて研究を続けていたと…

天の声

2015~2018年度に科研費を頂いて行った「バイカル湖における富栄養化にともなう生態系変質リスクの検証」の報告書を先ほど提出しました。バイカル湖は貧栄養湖なのに多くの魚がとれる生産性の高い水域です。その原因はサンゴ礁のように、共生藻を有する海綿…

水科学リテラシー

知人から「これ、なんかうさんくさいんだけど、きちんと説明できない」と相談を受けた「特定の鉱石から抽出した多種のミネラル(微量元素)を含む液体」とされる商品。その会社のホームページに下記が書かれていました。 ・鉄は酸化しない限り溶け出すことは無…

上流県の下水は下流県の上水

今週は複数科目のオリエンテーションで、表題の内容を学生にチラっと話したら、今年もやっぱり「へ~!」という表情でした。 たとえば柏キャンパスの水道水は利根川から取水している上水場から来ていますが、利根川の水源は群馬県にある山で、群馬県の下水は…

水から環境を考える原点

2018年11月5日に第45回環境保全・公害防止研究発表会で、「見えない公害から地域住民を守る」と題して特別講演を行いました。その口述原稿の要約が「全国環境研会誌」第44巻第1号に掲載されました。講演に使用したパワーポイントは2018年11月15日記事からダ…

なぜネオニコチノイド殺虫剤の研究は不採択なのか?

4月1日は多くの研究者にとって、すごく心臓に悪い日です。科研費の採択結果が発表されるからです。私は科研費2件と民間団体の助成を1件応募していて、科研費の1件はこれまでの成果を書籍として出版する内容、残りの2件はネオニコチノイド殺虫剤が内水面…

バイカル湖危機対応

昨日の英語記事を読んでいただいた方には繰り返しになりますが、ロシア当局はバイカル湖への汚水規制を緩和する法律を準備しています。 ロシア人共同研究者が「それは科学的におかしいと当局に手紙を送ってくれ。また知り合いにもそうするよう伝えてくれ。」…

Help needed - Lake Baikal

Dear Colleagues, My research colleague, Professor Oleg Timoshkin from the Limnological Institute in Irkutsk, Russia (he provided your e-mails), recently contacted you asking for your help in opposing a Russian government proposal that woul…

小川原湖産と思われるシジミにも異変

昨年末に、茨城県涸沼のシジミに殻皮剥離が起こっているとお伝えしました。青森県十三湖産は起こっていませんでした。今日、昼休みに行ったスーパーで「青森産」と表記されたシジミを売っていて、これには殻皮剥離が起こっていました。青森県では十三湖以外…

底生緑藻異常繁茂に関する国際ワークショップ

今日0時、そろそろ寝ようかと思ったところに、アメリカの友人からのメール。秋にアメリカのタホ湖で糸状藻類の異常繁茂に関する国際ワークショップを開きたいのだけれど、旅費は出すから来ない?アメリカとニュージーランドの研究者が集まる予定なんだけど、…

沖縄本島北部で見つかったジュゴンはどこで餌を食べていたのか?

沖縄本島北部の沖合で絶滅危惧種のほ乳類・ジュゴンの死体が発見されました。 沖縄付近に生息していた個体なら、北限のジュゴンがまた1頭、減ったことになります。 私は以前に天草で死んでいたジュゴンを分析して、この個体は天草に住んでいたのではなく、…

陸水研OG・田邊優貴子さんの論文がScientific Reportに載りました

陸水研OGで「極ガール」として知られる田邊優貴子さんの筆頭論文が、昨日公開されました。Scientific Reportsvolume 9, Article number: 4639 (2019) 彼女が陸水研でポスドクをしていたときに、当時修士学生だったH君と南極で取ってきたデータや化学分析結果…

琵琶湖でアオコが発生するわけ

私は2012年頃から「窒素やリンが多少減っても、水草が生えるとアオコが発生しやすくなる」と主張していました。同じ頃から糸状藻類が生態系にダメージを与えると宍道湖・バイカル湖の実態から確信し、その防止策を検討してきました。しかし生態学者を中心に…

日本が環境保全先進国なんて大ウソ

昨年2月8日のブログで、メスだけで増える不気味な外来種についてご報告しました。下記、地元誌にはメスだけで増えると明記されていないので、駆除不能になる危険については周知されていないかもしれません。 また、新聞記事ではなぜオーストラリアのカブトエ…

越境大気起源窒素とリンが日本の陸水環境に与える影響

表題の依頼講演を、5月18日に北九州市で開催される分析化学討論会で行います。北九州も含む日本海側では、中国から窒素酸化物だけでなく、石炭燃焼によるリン(水銀も含む)も飛来します。国境無き汚染にどう対処するか。。私の講演は熊本大学の戸田先生がオ…

私達の世代で湖は変わってしまった

アメリカの五大湖には、スペリオル湖を除いてZebra musselおよびQuagga musselと呼ばれる外来二枚貝2種が大量に繁殖して、下の写真のように大変なことになっています。 (出典:https://winnipeg.ctvnews.ca/zebra-mussel-spread-prompts-concerns-about-vi…