地球史上温暖化はこれまでにもあったことで、実際、6000年前の日本の気候は今より温暖だったと言われています。ではいまなぜそれが問題になっているかについてはhttp://www.sanshiro.ne.jp/activity/02/k01/schedule/6_21a.htm
がよく整理されていると思います。
一方で、人間によってそれまでに地球上に存在しなかった化合物が、たかだか過去100年で地球上にばらまかれている事態は、地球史上、初めてのことです。過去100年で新たに遭遇することになった物質に対して、生物はそれを安全に代謝する仕組みを発達させていない可能性があります。
それまでに存在しなかった化学物質によって、化学反応で駆動している生物の様々な仕組みがどのような影響を受けているのか、私たちはあまりに何も知りません。 危険と言えなくても安全とも言えないはずです。
私はこの問題について温暖化ほど世間が騒がないのが常々不思議です。ただし騒がないまでも、分からないことについては原則的に予防しようというのが欧州の「予防原則」です。これに対してアメリカとそれに追従する日本は、「リスク管理」で対処しようとしているようです。
欧州はなぜ予防原則を取ろうとするのか、私自身も翻訳の一部を担当した下記の報告を読むと、多少は分かるような気がします。
- 作者: 欧州環境庁,松崎早苗,安間武,水野玲子,山室真澄
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