生える、生えない。。。

宍塚大池に行きました。茨城県土浦市宍塚には、ため池である宍塚大池を中心に雑木林などが囲むように広がる、100ヘクタールほどの里山(東京から筑波山の麓までで最も広い)があります。昨年秋、この池から流れ出る水路で一株だけシャジクモ類を見つけて、春にはもっとあるかと確認に行ったのです。
でも何度採草器を投げても、底まで見える浅いところを観察しても、シャジクモはおろか、沈水植物は全くありません。どうしてだろう、と考え込んで運転していたら、見事に脱輪してしまいました。キャッ、ど〜しよう!と眺めた視線に、谷津田で作業している人影が。。。「すみませ〜ん、この辺で大きいジャッキ持ってそうな家ありませんかあ?」と近づいたら、あれ?アナタは息子と保育園が一緒だった、○○研のMさんではないですか。おひさしぶり〜、え、あのおっきな男の子が一番ちっちゃかったK君?そうだよねえ、ウチの息子も生意気にも今や私より高いし。。。なんて話している場合じゃなくってえ、と連れの若者と二人で助けに来てくれました。
その若者に「お手数おかけしてすみません。シャジクモ探しに来て帰る途中だったんですけど。。。」「シャジクモなら僕のシードバンクにいっぱい生えていますけど、大池にはありませんよ。かつてはあった他の沈水植物もほとんどないけど、シードバンクからは生えてきます。」
こんな里山の池でもかつて生えていた沈水植物が生えなくて、でもその泥を外に出すと生えてくる。。。脱輪したおかげで、この研究者に会えて、すごく重要なヒントをもらえたんだと、ひたすら自分を慰めていました。

☆シードバンクとは、堆積物や土壌に埋没して保存されている種子のことです。例として有名なのは、「大賀ハス」。昭和26年3月、千葉検見川東京大学グランド地下より発見された3粒の蓮の実が、約2000年前のものと鑑定され、その年の5月発芽し、翌年7月18日見事に開花しました。