ここ2ヶ月、自分の論文は全然手がつけられないのに、査読だけはしっかり内外から回ってきます。
同じ査読でも、海外の一流国際誌のはまだ許せますが、日本の雑誌に投稿される論文で感心したものは、これまでに一本もありません。悲しいことです。
ひどいと思うのは、学位を持った人が投稿する論文でも、あんまりなのが多いことです。私はどんなひどいのでもどこかに芽を見つけて「大幅に修正の上、可」にしてきましたが、先日とうとう、初めての不可をつけました。自分の調査・研究は全くなく、すべて既存の報告のデータを使っているのが明らかなのに、その出典を書かずに自分のデータのように使っている。こんなのをオリジナルペーパーとして投稿する博士がいるんですね。
まだましなものでも、自分が主張しているオリジナルな点についてイントロでレビューしないで、ディスカッションでいきなり1本だけ従来の研究を引用して「これと同じ結果でした」なんて書いたり。いったい誰が学位を与えたんだと腹が立ってきます。
私の学生さんには、最低限、科学論文執筆上の基本的なマナーは習得してもらいます。