湖沼生態系再生研究会(手賀沼モデル)

昨日6月12日に柏キャンパス環境系棟1階FSホールで、表記研究会の決起集会を開催しました。代表は埼玉大学大学院の浅枝隆先生、事務局は私です。
この会を計画したのは、以下の理由からです。
湖沼生態系の保全・修復および管理に関する研究は多くの湖沼で必要とされています。特に水草が湖沼生態系で果たしている役割、その衰退以前の状況の復元と復活に伴う新たな問題が、諏訪湖、琵琶湖や霞ヶ浦など、日本の主要な湖沼でホットな話題となっています。
一方、柏キャンパスの近くにある手賀沼富栄養化した浅い湖沼という特性がありますが、湖沼法における指定湖沼の過半数が、富栄養化した浅い湖沼です。そこで手賀沼をモデルに、富栄養化した浅い湖沼における生態系再生や水質改善などの様々な要望を満たす対策法を考案・検討するための情報交換の場があればいいなと思いました。合わせて手賀沼その他千葉県湖沼固有の生態系保全・修復の実事業・活動の相互連携の場を提供し、効果的な取り組みに貢献できればと思いました。
幸い手賀沼は国(国土交通省)、自治体(千葉県、我孫子市柏市)、市民団体など様々な方々が、問題解決に取り組んでおられます。しかし、例えば国による導水事業が、必ずしも市民団体の方から全面的に支持されていないなど、見解の食い違いもあるようです。
関係されている方々はどなたも、手賀沼に無関心でもなく、悪くなれとも思っていないわけで、どうすれば手賀沼がよくなるのか、合理的に検討すれば、必ず合意に達すると思います。水環境問題に携わる研究者として、問題に資する最新の情報を提供しつつ、具体的に現実の湖沼の問題に取り組めるのが、研究者と学生の集まりである、大学なのかなと思います。
昨夜は手賀沼に関わっておられる市民の方々を始め、自治体関係者やコンサルタント関係者、陸水研の学生さんなどが参加して、今後の運営などについて話し合いました。時間の制約があり十分に議論できない面もありましたが、合意と行動を目指して続けていきたいと思います。