海洋基本法

昨日(6月22日)は、科学技術・学術審議会海洋開発分科会に出席しました。
会場となった三番町共用会議所は何度か来たことがありますが、玄関側の殺風景さと中庭になっている日本庭園の豪華さが何とも不釣り合いだった謎が、ようやく解けました。分科会の担当者の方のご説明によると、米価が自由化するまでは、毎年この会議所で米価を決めていたそうです。それで玄関側には少しでも米価を高く設定してほしい農家の方々がテントを張り、筵旗を立てて会議の行く末を見ていたとか。これでは玄関側に日本庭園を造っても、毎年荒れてしまいます。
さて、分科会での今日の議論の一つは、5年前に会が答申した「21世紀初頭における日本の海洋政策」のフォローアップをどうするか、でした。海洋基本法が成立し、これまではこの分科会が総合的に議論してきた「海」に関する諸事を、今後は「総合海洋政策本部」が所管し、海洋基本計画が策定されることになります。そうなるとこの会は何をすべきかということで、答申で会が出した「海を知る」「海を守る」「海を利用する」のうち、今後は「海を知る」に重きを置いて審議すべきとの考えに対し、海を総合的に管理していく観点からは、答申を出した時の見地からフォローアップをして、その精神を引き継いでもらうのが先ではないかという、2通りの考え方から議論されました。
「海はひとつなのですから、各省庁の縦割りになっては、基本法を作った意味がありません」との趣旨の発言に見られるように、法律ができたら終わりではなく、海洋基本法が必要とされた背景を踏まえ、運用面に至るまで海の政策が総合的なものになるように、まだまだ努力が必要なようです。