陸水研修士1年の研究生活・・・T君の場合

陸水研に入ってくる学生さんは、学部で必ずしも陸水学を勉強しているわけではありません。それに陸水学は総合科学なので、全てについて高度に専門化した知識・技術を学部でマスターしているなんてあり得ないです。
それは修士の2年間を費やしても同様でしょう。ならば、広く総合的な知見を自ら学びつつ、修論研究は国際誌にも投稿できる高度に専門化した内容になるよう教官が指導する、という二本立てで、博士に進学するにしても就職するにしても、自分の武器になるメソッドを身につけるのが得策だと考えました。
それでT君には、窒素同位体のトレーサー法によるアナモックス解析を課題にしてもらい、産業技術総合研究所のS先生にご指導いただくことにしました。
今日(6月23日)は先日インキュベートを始めたサンプルの、初めての測定。何といっても、空気の大部分は窒素。その中で標識した窒素ガスをいかにコンタミ無く培養容器から採取し、いかにコンタミ無くGCに注入するかは、非常に神経を使う作業です。
その上、「この40のピークはCO2が壊れたCOなんだよね。そしてこの30はN2Oが壊れてできたNOで。。。」とのS先生の説明についていくには、大学受験以来忘れていた原子量を、再び暗記しなければ。
初日同様、今日も脳がほとんどパンク状態のT君でした。ファイト!