参考書9「河川感潮域―その自然と変貌」

感潮域とは、海の潮汐の影響を受ける河川下流域を指します。その感潮域に堰を作り、上流部を淡水にして水道水源にするという公共事業が行われました。本書は、その堰の運用によって生態系がどのように変わったかを、一般市民を読者に想定して編集された本です。

河川感潮域―その自然と変貌

河川感潮域―その自然と変貌

河口域の生態系については「河口・沿岸域の生態とエコテクノロジー 」(東海大学出版会 )も良い本ですが、ある程度の専門知識があることを前提に、より詳しい内容となっています。
6月24日の日記で、この陸水研には修士から入って、2年間で一定レベル以上の研究もして、かつ陸水学を総合的に学ぶ必要があるということで、「広く総合的な知見を自ら学びつつ」と書きました。
そのココロは、ここで参考書としてご紹介している本はできればM1の間に読んでおいてください、ということです。陸水研に進学を考えておられる学生さんも、できれば学部の間に読んでおいてください。そう思って、なるべく解説が平易な本を選んでいます。
ご参考までに、これまでにご紹介した陸水学関係の参考書は以下です。

2007-04-15 「生物地球化学」
2007-04-17 「河川地形}
2007-04-23 「新編 湖沼調査法」
2007-05-17陸水
2007-06-10 「河川事業は海をどう変えたか」
本日    「河川感潮域―その自然と変貌」

加えて、:吉村信吉「湖沼学」を図書館などで借りて、是非勉強してください。生産技術センターから1979年に発行された増補版が、1942年の原本発行後に吉村先生ご自身が加えられたメモもあって、とても参考になります。

以上をお読みになれば、陸水研で「こんな研究してみない?」と私がお誘いする内容の大部分は理解できると思います。