イノカシラフラスコモを生やす

昨日9日は、6月8日の日記で紹介したイノカシラフラスコモ増殖地にまた行ってきました。その時は青々していたイノカシラフラスコモは池ではすっかり消えていたのに、雌だけがいる下流側のタンクの草体はまだ元気。とすると、草体が消えてしまった池では、めでたく次世代が形成され、堆積物に卵胞子が眠っている可能性があるのでは。。。

そう思って、今回は堆積物採取を主目的としました。6月の時もひしゃくですくってもらった泥を見てみたのですが、水中で流れたらしく、卵胞子はありませんでした。今回は写真のようにコアを持参し、表層が流れないようにしっかり採取して、0.25〜0.5mmの粒子を同行の研究者に検鏡してもらったところ、シャジクモ類の卵胞子らしきものがしっかり入っていました!

今回、一緒に来てくださった国立環境研究所の方は「環境試料タイムカプセル化事業」の一貫としてシャジクモ類の系統保存に取り組んでおられるのですが、大型植物を植え継いで保存するのはとても大変です。それで卵胞子の形で保存ができること、それが発芽することを確認すれば系統保存に役立つのではないかと考えておられて、一方私は、宍道湖のように50年以上も前にシャジクモ類が絶滅した水域から卵胞子を抽出し発芽させる技術が確立すれば水環境保全にも役立つのではと考えていて、情報交換を経て、今回は一緒に来たのでした。
現地で必要なフラクションだけを篩ってきたので、今回はある程度の卵胞子が確保されたのではないかと期待しています。これから暇を見つけて卵胞子をピックアップして、それをどうやったら発芽まで持っていけるか、試行錯誤してみるつもりです。