最深の湖(2)意外と水鳥が少ない

最深の淡水湖、バイカル。深いだけでなく大きさも並でないし、それに日本に冬に渡ってくる水鳥の多くはシベリアから来るのだから、夏のバイカルは多種多様の水鳥でにぎわっているものと期待していました。
ところが、バイカル湖博物館に陳列されていた水鳥の剥製は、下記の写真だけ。この後実際にリストビアンカから船で西岸を南下したのですが、剥製以外に見つけた水鳥はカモメだけでした。
思うに、西岸は特に急勾配で水草がないので、草食性の鴨や白鳥にとっては餌が少ない。それに礫底だからベントスも少なくて、潜水鴨も少ないということなのでしょうか。
ところで、写真の真ん中の鴨は学名からはキンクロハジロのはずですが、スペルが一字間違っていただけでなく、どうみてもこれはキンクロハジロではない(キンクロハジロはその名の通り、雄の目が金色なので)。鳥の専門家の不在を感じました。
昨日書いた共生藻を持つ海綿についても物質循環の論文は見た記憶がなく、広大なバイカル湖の生物は、まだまだきちんと調べられていないことが多いんじゃないかと感じました。