不思議な縁

10月1日の記事で秋入学者として紹介した博士課程1年のH君は、フィリピンからの留学生です。
ある日、H君が私の部屋に来て、修士の時に感じたことや博士の間にしたいことなど、いろいろ語ってくれました。最後に「こんなこと聞いていいですか?」とモジモジいうので、「何?遠慮しないでいいわよ」と言ったら「先生はどうやって琵琶湖賞取ったのですか?僕もいつか取りたいと思います。僕の大学の時の指導教官が取られていて、とても名誉な賞だと聞いたので。」
それで初めて、彼がフィリピン大卒で、指導教官がフォルテス博士と分かりました。
フォルテス博士は第5回生態学琵琶湖賞受賞者、私は第10回です。そして博士の専門は海草、私も海草の研究をしていたことなどから、フォルテス博士とはいつのまにか、国際学会で会ったら一緒にお食事したり、時々メール交換したり、という感じのおつきあいをするようになりました。
「なんだ、フォルテス博士のお弟子さんだったの。日本で修士取ったこととか、ちゃんと報告した?喜ぶと思うよ。」と言ったら「先生はすごく偉大で、それに忙しい人だし、僕のことなんか覚えていないと思う。」
それで、H君が今月の25日から来月18日まで、母国フィリピンでの長めのフィールド調査に出かける間に恩師に会う機会があればいいなと思って、フォルテス博士に「あなたの学生を今指導してるよ」とメールしました。
案の定、フォルテス博士からは「彼はいい学生だから、将来きっと成功すると思う。もし彼に何かできることがあったら教えてほしい」と、H君のアドレスにccしたメールが返ってきました。学生さんが思っている以上に、指導教官というものは学生さんのことを覚えているものなんです(と、自分が教授になってそう思うようになりました)。