郡司和夫著「食品のカラクリ」〜厚生省は国民の健康のためにあらゆる情報を公開しなければならない

大量生産、薄利多売タイプの食品がいかに危険に満ちているかを指摘した内容。学生の頃、似た名前の方(郡司篤孝)が書いた似た内容の本を読んだことがあって、同じテーマを同じ姓名の人が取り組むなんて偶然にしても面白いなと思っていたら、種明かしも本書の中にありました。
郡司篤孝氏はサッカリン、ズルチンなどの人工甘味料の問屋を経営していました。しかしある日突然やめてしまった。ある日、仕入れ先の友人にこう言われたからだそうです。「郡司、おまえ、こんなものを絶対に子供達に食べさせるなよ。将来、とんでもないことが起こるぞ。」その「子供」の次男にあたるのが、和夫氏だったのです。
その後、郡司篤孝氏は殺菌剤AF2の使用中止を求めて奔走、メーカー側は威力業務妨害で氏を訴え、裁判ではメーカー(製薬会社)も厚生省も「安全である」と繰り返し主張。しかしカイコを使った実験で、親・子には影響が出なかったのに、孫の代になって大量に奇形が発生というデータが公表され、氏は無罪となりました。また裁判の過程で、当時の厚生省の課長が、AF2の発ガン性のデータを握りつぶしていたことも明らかになりました。当時の世界の化学者の間では、AF2に発ガン性があることは常識で、食品に添加することなど考えようもなかったそうです。
裁判長の判決には、異例の「意見書」がついていました。曰く「厚生省は国民の健康のためにあらゆる情報を公開しなければならない」
上記裁判は1974年の話です。その後何度、厚生省は同じ事を繰り返したことでしょう。。。
AF2を最も大量に食べたのが、いわゆる団塊の世代。彼らの孫達はそういう意味で、これまでの日本人とは違った何かを負ってしまっている可能性があるわけです。そういう背景を知らないでいるのと可能性として考慮してみるのとでは、物の見方が違ってきますね。

以下は、久々にこの手の本を読んで「へえ」と思ったリストです。根拠をひとつひとつ確認する時間はありませんが、私は、こういう話は用心するに越したことはないと思うタイプです。

・人造イクラはタンパク質がほとんどないので、熱湯につけても凝固するものがなく、白濁しない(本物は白濁する)。
・映画「スーパーサイズ・ミー」から、ハンバーガーを食べ続けると、食べないと鬱状態になり、食べると気分爽快という体になる。
アスベスト使用のオーブンが多くのパン屋で使用されている。
・台風で落ちたリンゴは安価で引き取られ、イチゴジャムやアンズジャムなどに化ける。
カイワレ大根悪天候続きでもあおあおしているのは緑化促進剤のため。
・おでんの練り製品が8時間経っても浮いているように、リン酸塩を加える。
・pH調整剤には使用基準がないので、無制限に使用できる。

食品のカラクリ―驚異のフードマジックそうだったのかこの食べ物! (別冊宝島 (1316))

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