地球温暖化はみだしトピック

今年の正月番組は、昨今の異常気象にちなんで、地球温暖化に関する特集番組や報道が目立ったように思います。
そこで、ちょっと古いですが、UNEP(国連環境計画)の広報誌「Our Planet」の2007年5月号から、テレビではやっていなかったようなトピックをご紹介します。
ちなみに、最近は「Our Planet」の一部のバックナンバーについては、日本語訳をHPからダウンロードできます。英語、フランス語、スペイン語訳もあるので、語学の勉強にも使えそうです。

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関係する数字
35,000
2003年の熱波による、ヨーロッパでの死者数。

50,000,000
気候変動を放置したことにより、餓死するかもしれない人数。

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津波(mountain tsunamis) by バサンタ・シュレスタBasanta Shresthaから

「ヒマラヤ」という呼び名はサンスクリット語の「雪」を意味する‘ヒマ’と「住まい」を意味する‘ラヤ’をつないだもの。

地球上の山岳氷河と呼ばれる氷の固まりは、2050年までにその4分の1が消滅し、2100年には半分になるとする予測もある。

氷河が後退するにつれて、氷河の尻尾の先に露出してくる端堆石の後ろ側は氷河湖になる。ヒマラヤの氷河湖のほとんどが過去50年間に出現したもの。ネパールに出現したイムジャ・ツォー(Imja Tsho)とツォー・ロルパ(Tsho Rolpa)と呼ばれる氷河湖の湖面は、前者が毎年41メートル、後者でで66メートルずつ広がっている。急速に増える水量の重さで、自然にでき上がった脆弱な土手が決壊すると、大量の水と堆積物を一気に下流に放出する。これが氷河湖決壊洪水(GLOFs)と呼ばれる現象で、すでにこの地域では何度か報告されている。1985年には、ネパールのエベレスト国立公園にあるディグ・ツォー(DigTsho)氷河湖でGLOFsが発生し、数人の住民が死亡し、道や橋、住宅、農地などのほか、ほぼ完成した水力発電所が破壊された。今後起きる洪水は、下流に住む数百万の人口を危険ににさらす‘山津波’を引き起こし、大惨事となる可能性がきわめて高い。