手賀沼水環境保全協議会専門委員会

昨日11日は、手賀沼環境保全協議会専門委員会に「学識経験者」として出席しました。こういう枠で出席したのは、もしかしたら初めてです(例えば湖沼法見直しの時の委員会はみんな学識経験者だったからか、委員リストに枠名はなし)。
委員は「学識経験者」「住民代表」「行政関係」以外に青年会議所などの「事業者代表」や漁業共同組合、土地改良区などの「利水団体」から構成され、全28名。この専門委員会とは別に「総会」もあるようです。
手賀沼の水質対策に関する施策結果と次の計画が事務局から紹介されたのですが、中でも興味深かったのは、平成20年度に予定されているハスに関する調査。
手賀沼南岸で繁茂しているハスは、在来ではなく、栽培種が野生化したそうです。花期には美しいのですが、冬の枯れ姿は必ずしも美しくなく、また花期であっても水質や生物相にどのような影響を与えているのか不明ということで、ハス群落内外で水質・底質・生物を調べるのだそうです。浮葉植物が水質に与える影響については私も関心のあるところで、どんな結果がでてくるか楽しみです。
ハスについては漁協の方から、「浅いところが占領されてしまうのではないかと、大変危惧している」との発言がありました。また市民団体の方から、「ハスを回収することで栄養塩濃度にどのような影響を与えるかについても検討すべきではないか?」との指摘もありました。
手賀沼では「手賀沼流域協働調査」として、市民との協働水質調査を、湧水や河川水を対象に、足かけ5年間行っているそうで、今年度の結果報告も千葉県の担当課からありました。
これに対して、5年間ずっと参加され続けてきた市民の方から、「何のためにやるのか、どういう意味があるのかを明確にしてくれないと、参加する気になりにくい」との意見、また湧水の観察をされている市民団体の方からは「東京に近いところから湧水が枯れてきている」「湧水の自然が残っているところでも、例えばサワガニがいると教えると乱獲されるなど、大都市近郊地域では湧水環境の保全において、難しい問題が多い。」との指摘がありました。
いつだったか忘れるほどの昔、市民運動と水質保全についてレビューしたことがあります。手賀沼環境保全協議会専門委員会のような幅広い層が集まって水域保全に関する合意を形成する方法として、北米ではGISなどを使って非常にスマートにやっていて、とても驚いたことを思い出しました。時間ができたら、またレビューしてみようと思いました。