干潟を埋め立てる

23日は三河湾の、とある干潟周辺を視察に行きました。この海域を埋め立てて中古車販売の拠点等にする計画が、「地元の要望」として県から出されているのだそうです。一方で、今や日本最大の産地となった三河湾のアサリの再生産を担っているのが実はこの干潟ではないかと、漁業関係者は考えています。それで、ここを埋め立てたら三河湾のアサリ漁は消滅するとの、危機感を持っているそうです。
有明東京湾のアサリ漁の不振が続く中、国内産と偽って、実は北朝鮮産アサリが出回る日本の食糧事情。中古車を輸出するための更地作りのために、本当に埋め立てていいのかという観点もあります。環境問題として見ても、アサリという懸濁物食者が減少することは、湾の富栄養化に大きな影響を与えます。
もしかしたら数年後には消滅するその浜には、様々ないろどりや大きさのアサリの貝殻。沖を眺めていると、ブル〜っと息継ぎをしては潜る、スナメリらしき姿。ここを埋め立てることが何をもたらすのか、自然科学の問題として検討していきたいと思います。