日本国内も問題、有機リン農薬

「ピコ通信」(化学物質問題市民研究会)114号から、北里大学医学部名誉教授・石川 哲先生のご講演「有機リンの生体影響ー臨床・最新の研究」の要旨の一部を紹介します。読んでてゾッとしたワースト2です。

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■米国で増えている銃乱射事件
米国でも困っているのは、風光明媚な農村で若者が突然銃を乱射したり、あるいは自殺するという事件が頻発していることである。
私が米国にいた40 年以上前には、こういうことは無かった。その後、米国でも有機リン農薬がたくさん使われるようになった。1966年、テキサスのオースティンの大学でタワーの上から大学院生が銃を乱射したのがこれらの事件の最初である。有機リンの精神・神経症状は、暴露が積み重なってある程度年数が経ってから表われる。
米国では、キャンパス内での有機リン散布などに気をつけるようになっていたが、最近また緩んできている。オースティンの事件以来、銃による事件が一時期減少したが、最近また増えてきつつある。一昨日もシカゴのイリノイ大学で起こっている。この種の事件はヨーロッパではほとんど起こっていない。ヨーロッパでは規制が厳しく、有機リンはほとんど使えない。米国と日本は甘く、中国はもっと緩やかだ。日本でも、有機リン剤を止めさせなくてはならない。

ブログ管理人感想:日本は何ごとも精神論がまかり通るのは、戦前から変わりませんね。子供達の異変に対して、どうして人文的現象だけとらえ、化学物質の影響を考えないのか、理解に苦しみます。
子育てしていて気づいたのですが、かつてはグレるのは下の子供と思います。ところが最近は一番初めの子供が不登校だったり情緒不安定という例が多いようです。
これは、胎児性水俣病のように母体に蓄積した化学物質が原因だと考えると、理解しやすい。逆にそのような傾向が把握できれば、社会構造の変化ではなく他の原因と言えるかもしれないなどと考えています。

■室内汚染ガスだけではなく、大気汚染も問題に
今、大気汚染、特に黄砂がひじょうに問題になっている。昔はさらさらしていたが、最近では油をたくさん含んでいて、拭いてもネバついて取れない。ナイルウイルスも、1 週間で米国に飛んでくる地区がある。寄生虫バクテリア、それにも増して、他国で空中散布された農薬が全部、風下の日本に飛んでくる。このことを忘れてはいけない。
米国の宇宙局では、今非常に神経を使っていて、日本で撒くものにも気をつけていると聞いている。
今までは、子どもが頭が痛い、ぜん息だというと室内汚染ガスを第一に問題にしてきたけれど、今後は黄砂・ダストによる大気汚染も問題にしていかなくてはならないと思う。

ブログ管理人:かの国は、冷凍食品に混入した農薬も、日本で混入したのだと開き直っておられますから、いわんや大気経由のリンをや、でしょう。現在、日本での散布でどの程度の濃度なのか、科学的に調査してデータを残す必要があるように思います。「日本では有機リン汚染はない」などと言っていては、では今はどうなのでしょう。すべてかの国のなのですか?この国のなのですか?それにどう答えるのですか?

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