技術士(環境部門)の過去問

自然環境専攻の講義として、今年度は前期に「水環境論」を海洋研のK先生と二人で担当しました。来年度前期は陸域の先生方お二人と3人で実習を、また講義として単独で「環境計測論」を担当します。これらの実習や講義で何をどこまで教えるべきか、参考にと「技術士 環境部門」の試験問題集を眺めてみました(「技術士第一次・第二次試験問題集 環境部門2007年版」通商産業研究社)。
地学・生物・化学の、そして陸上・水域・大気のすべてについて、一通りの知識と基本的な考え方を身につけていないと解けない、なかなかよくできた問題が結構ありました。
一部には、鳥獣保護区の数など法律の規定に係わる問題や、「ヤマネ・タンチョウ・ミヤコタナゴ・アベサンショウウオ・キクザトサワヘビのうち日本産希少野生動植物種に指定されていないのはどれか」など、ウチの専攻では教えようがないものもありました。
また、環境ホルモンや大気汚染について、当専攻ではこれまでおそらく、全く教えていなかったのではないかと思いますが、当然ながらこれらに関する問題は多数ありました。環境ホルモンはこれまで地球が経験したことがない、純粋人為の環境破壊です。また人は食べ物がなくても水がなくても1日以上生きれますが、空気無しには数分で終わりです。それほど必要不可欠な大気の汚染は、環境問題として、実は一番大切かもしれません。
どこがなぜ問題なのかを本当に理解するには、人為的影響がなければどうなるはずか、という部分を知る必要があります。自然環境について教えるときに、人為によって何が変わるかという点を意識しているかどうかで、内容が変わってくる気がします。私が担当する講義ではその点は意識して構成しようと思います。

PS:来年度、私の講義で単位を取らないといけない学生さんなどで「こういうことも是非」という要望がありましたら、メールで教えてください。