高校までの自然科学は必須

このブログでリンクをはっている「Dr. Jason’s blog 」の「春の読書ガイド 科学の基礎の復習」は、うちの専攻の学生さんにも役立つ本が紹介されていると思います。なにせアーバスキュラ菌根菌から高層大気の流動現象まで、同じ日のゼミで紹介される専攻ですから。。。
高校の物理・化学・生物の復習本(地学が無いのは問題だあ)、そして、それもちょっと危ない人むけ中学理科の復習本。いずれも講談社ブルーバックスです。

Jasonさんとメールでやりとりしたところによると、彼が講師をしている工学系の学部3,4年生でも「仕事」「エネルギー」「運動量」など、力学の基礎概念が答えられない学生がいるのだそうです。ゆとり教育の弊害の一端でしょうか。それで大学のレベルの教科書の入門書だけでなく,高校・中学の復習の参考書もみながら、講義の準備をしているのだそうです。

うちの専攻の場合は、ご自身の専門についてはさすがに高校まで遡らないでよいと思いますが、なにせ大講座性で専門が幅広い先生方から構成されていて、かつ陸域は基本的に学生が取り組みたいテーマはなるべく自主性をいかしていますから、とんでもなくテーマの幅が広いです(新入生で、いかにうちの専攻の幅が広いか実感がわかない方は、12月5日記事「春入学者による修士論文中間発表会」に昨年度の修論タイトルを全部載せておきましたのでご覧になってください)。ですので、高校でちょっとさぼった分野の基礎知識がないと、聞いていてわけわからないと思います。

私は文科3類から理学部に進学しましたが、幸いなことに出身高校が、文系・理系関係なく、地学・生物・化学・物理全部必修でした(かつ、全員が地学実習に参加し、ハンマーとクリノメーター片手に、露頭観察をして図を描く練習をしました)。そのためか、もちろん、流体力学がメインのお話の専門的な所はわかりませんが、あのアノマリーは意味があるのでは?くらいの質問・コメントはできます。当専攻に来たからには、高校までのサイエンスは全て基礎はマスターする、くらいの意気込みでいてください。