中国で起こった大地震、犠牲者は建物の倒壊に巻き込まれた例が大部分のようです。
その場の地学的な状況ではどのような対策が必要か、建物そのものの耐震強度だけでなく、基礎工事でも何をすべきか、科学的におおよその目処はついていると思います。
実際、私が自宅を建てるときは、学園都市のボーリング調査の柱状図を確認した上で、基礎はベタ基礎にしてもらいました。そのためか、先日も茨城県沖を震源とする地震がありましたが、わが家ではあまり揺れを感じませんでした。
スマトラ沖地震のように、あんなところであんな巨大地震が起こるとは想定されていなかった例もありますが、活断層の存在も知られていたわけですし、後の祭りとは言え、もう少し地学の知識を防災にいかすことができなかったのかと、残念でたまりません。
そしてそれは外国だけの問題ではありません。モンスーンアジアの変動帯にあるために、地震、洪水、津波、土砂崩れの危険が非常に高いこの日本という国で国民の安心安全な生活を築いていくには、国土利用に関わるすべての行政関係者、実務関係者が、地学の知識を当然身につけているべきです。もっと言えば、一生に一度の買い物に近いマイホームを建てるときに、地学の知識が不足すると家族の安全をも守れません。
私がとある国レベルの委員会で「高校と大学の教養課程で地学を必修にせよ」と主張し続けたのは、上記のように考えているからです。