化石の魅力を伝えたい −化石チョコ誕生物語(2)

昨日に続き、化石チョコ誕生物語です。

化石チョコは全て、地質標本館にある17000強の化石の中から選ばれた本物の化石とそっくりに作られています。種類によってあまりに違うと困るので、チョコの量がなるべく同じになるように選ぶのが大変だったそうです。ちなみに地質標本館には全部で13万点の鉱物・岩石標本があり、展示しているのはそのうちの1万点程度です。

化石は過去の生物の遺骸なので、それを調べることによって、過去の生物の歴史が分かります。また逆に、その生物がでてきたことから、化石がでてきた地層の環境や時代が分かるのが魅力です。

私自身、産総研に勤めていたとき、やりきれないことがあったり、発想がわかないときは、地質標本館の化石展示を見に行ったものです。直径が1mくらいのアンモナイトは、生きていたときはイカのような足や大きな目玉が飛びでていて、オウムガイのようにゆったりと泳ぎ回っていたはずです。そんな海でダイビングしたら楽しいだろうなあとか、ストロマトライトの化石の前では、この生き物がマットを作っていたころの空の色ってどんなだったろうとか、化石に囲まれていると地球でさえこんな風に今とは全く違うんだ、ましてや明日は明日の風が吹くはず(Tomorrow is another day.)と、気分がとても楽になりました。

今回チョコ化した5種類がセットになって販売されいているのですが、そのうち3種類は単品でも売られています。3種類の選び方は、古生代中生代新生代を代表する化石ということで、三葉虫アンモナイト、そして1800万年前の日本に広がっていたマングローブ林にいたと考えられる瑞浪産ビカリエラになったそうです。

地質標本館には使用された本物の化石標本と対応するチョコが、写真のように並んで展示されています。化石が母岩についた状態を知ってもらいたいという思いがあるそうです。
地質標本館に来られる機会がありましたら、是非、化石とチョコを見比べてください。