交通殺人(2)死因究明

昨日ご紹介した「自動車保険の落とし穴」の著者・柳原三佳様から、あるMLに投稿された記事をもとに、このブログ用にコメントいただきました。Limnology読者には理工系の方が多いと思われますので、シミュレーションにはどういう問題があるかも考えてお読みになると、興味深いのではないかと思います(例えば環境シミュレーションの問題点からご想像いただければ。。。)。
あわせて、死因究明に関する情報もコメントされています。

柳原様からのメール
今回の本にはいろんな要素がつまっていますが、特に交通事故の過失割合で問題を抱えている方にご確認いただきたいのが、「コンピュータシミュレーション」を使った鑑定です。
全国各地の警察、検察、損保会社がこのソフトを使っていますが、素人の裁判官や当事者がわからないのをいいことに、バックデータも提示せず、かなりデタラメな鑑定手法で、亡くなった方を冒涜するような立証をしてきているという実態が明らかになりつつあります。
今回取り上げた死亡事故では、三井住友海上による捏造疑惑が浮上していますが、大企業相手の闘いはかなり熾烈です。国内ではなかなか確認できず、私は結果的にドイツの民間鑑定会社にまで行ってそのウソを突き止めなければなりませんでした。
現在裁判中の方で、「PCクラッシュ」といった名称のシミュレーションが登場しているという方、同じような手法で騙されていないか、ぜひご確認ください。

長くなりますが、もうひとつお知らせです。
現在、私は「週刊現代」(講談社)で、死因究明の杜撰さで苦しむご遺族の声を連載で取り上げています。
今週は秋葉原の事件の影響で1回お休みでしたが、来週からは3回続く予定です。
そんな中、日本法医学会が「死因究明のあり方検討委員会」の中間報告をまとめました。
学会員以外でも投稿が可能ですので、ご意見をお持ちの方はこの機会にぜひ送ってみてください。
なお、昨年、千葉大学の法医学教授・岩瀬博太郎氏と共著で出版した「焼かれる前に語れ」(WAVE出版)に、司法解剖の現場から見たわが国の崩壊寸前の死因究明制度について詳細に書かれていますので、そちらもぜひご一読くださいませ。

http://plaza.umin.ac.jp/legalmed/siinkyuumei.htm