柏キャンパス環境棟の、私が住んでいるフロアの直ぐ上におられるM先生が、実は下水処理におけるアナモックス反応を日本に紹介した方だと知人に教えてもらいました。
それでさっそく、M先生と同僚のS先生に、陸水研でこれまで展開してきた自然界におけるアナモックス研究の概要をご説明し、ここでの発見が工学に応用できる可能性をお尋ねしました。
ある程度予測していたことですが、やはり測定の単位からして違っていて、自然界では堆積物乾重量当たりとか水1リットル当たりどれくらいの窒素が除去されたかを示しますが、工学ではバイオマス当たりなのだそうです。
M先生にバルト海のデータをご紹介したら「これはアナモックスの成長速度からこれくらいはいてもいいというバイオマスで行われた活性なのかどうかという点から分からない」とのご指摘を受けました。
例えば、「CNP」って、自然界を扱うサイエンスからは「炭素・窒素・リン」なのですが、化学物質による毒性研究を含む分野では農薬の一種です(ダイオキシンを不純物として含むことで超有名な農薬です)。
久々にこのCNPくらい、業界が違えば言葉が違って、ゆえに同時通訳ができれば大きな成果をつくりだせるかもしれない、との印象を受けました。