水の野外調査

21、22日は渓流水質の野外実習でした。
今回は特に次の2点を作業を通じて理解いただけたかと思います。
2班に分かれての水質調査でしたが、EC・pH計は最初の測点を必ず同時に測って、それぞれの測器が同じ値を示すか確認しました。そしてpHについては片方の測器のレスポンスが若干劣っていて、流れが弱いところではセンサーを攪拌するようにしないともう片方とかなり離れた値を出すことが分かりました。この傾向は2日続いて同じでした。このように、センサー計測は測器による差が必ずあると思って、事前に確認することが大切です。
もうひとつ、今回はターゲット物質の濃度を、とりあえずその場でパックテストを使っておおよその値を出す、という形にして、多くの調査地点を回りました。そして、1日目の夜に、その日にとった10地点の濃度を分布図にして、翌日はだからどういう地点を新たに調べるか、再調査するかを決めました。
水質分析は、測器によらない部分は、しばしば実験室に持ち帰るまで値が分かりません。野外調査を終えて、分析が終わって、こんなことならこういうところでも採っておけば良かったと悔いても後の祭りです。
たとえば地質調査なら、1年後には露頭がなくなっているかもしれませんが、1週間後ならまだある可能性が高いです。でも水の調査は、その1週間の間に豪雨・洪水があったら、影響が消えるまでに1ヶ月以上かかって、その間に季節が違ってしまうということもあります(私のD論調査は、それで2年分の夏をフイにしました)。フィールドは一期一会と思って、そういう意味で万全の体制かつ臨機応変に対処できる能力を身につけてください。