不思議なマス

29日は客員研究員をしている産総研で磁場型の質量分析計を動かす予定でした。前日はその立ち上げでしたが、17時頃から雷を伴う雨になったので、いったんソースを落とし、ニードルバルブも閉じて帰宅。19時には記録的な豪雨になってきたので、再度研究所に行き空を眺めつつ、22時にはもういいかなと思ってバルブを開け、装置を制御するパソコンも立ち上げたまま帰宅しました。
産総研ではずっと以前から、電圧低下や停電があるとイントラに緊急情報として掲載されますが、最近は指定したアドレスにメールが入る仕組みも導入されました。私は携帯とPCのアドレスに送ってもらっているのですが、2時半までは何ごともなかったので就寝。翌朝起きたら2時49分電圧低下、3時27分に停電があったと携帯にメールが入っていました。このあたりで時々ある、自転車で10分先は豪雨なのに自宅では雨が降っていないと言う(俗に「馬の背を分ける」)、局所的な落雷だったのかもしれません(雷の音がすると無意識に起きるので)。

あわてて駆けつけてチェックしたところ、マスを制御しているPCはリセットされていて、インキュベーターなど他の装置もことごとくアラームを出していたのに、マス本体(ポンプも、測定値も)は平気でした。
今月始めに落雷で10秒停電したときも同じ事が起こり、他の装置はアラームを出している中、マスだけが涼しい顔をしていました(という風に頼もしく見えました。この子がやられると回復は並大抵ではないので)。

私のマスは計画停電で1日以上止めてから立ち上げるときは決まって不安定になるのですが、短時間だとかくも頼もしいのは不思議なほどです。産総研の知人の同じ型式のマスは、29日未明の停電でターボポンプが故障して復旧の目処が立っていないとのことでした。

自分のマスができた16年前から、雷が落ちる音が聞こえる度にラボに駆けつける生活が続いています。みんなが困っていることですから、メーカーには瞬間停電対策付きの装置を開発してほしいものです。また、東大にも産総研のような停電通報システムが導入されたらいいのにと思います。特に今月に入ってから、停電情報などなかったのに、ファックス電話の表示が1月1日になって点滅していた(つまり停電があった)なんてことが何度かありました。