就職組の修論

金融不況の影響で、内定が取り消されている学生さんがでているそうです。これから就職活動を始めるM1にとって、状況は昨年より厳しいのでしょうね。
M2は私にとって最初から指導する初めての学生でしたが、誰が指導教員になるかも分からずに受験したほど度胸がいいのだから、何があっても大丈夫でしょうくらいに踏んでいました。案の定、二人とも想定外のハプニング続きでしたが、修論は何とか書き始めているようです。
かたやM1は、私を志望教員として来た学生さん達ばかりですから、こちらもそれなりに責任を感じて、入学してすぐに就職か進学か予定を聞きました、三人とも就職希望だったので、11月までに何らかの結果を出せるテーマとして、フィールドでの観測と採取した試料の室内実験を組み合わせたテーマの原型を二つ、既にサンプルはあって(専攻の他の研究室で言えば、○○平野のボーリングコア)、それに従来にない分析を加えるとともに、自分でも独自にフィールド調査を考えるというテーマをひとつ考えました。いつかのブログで書いたように、私自身の学位論文は夏のフィールド観測に絞ったために、豪雨の夏と干ばつの夏のおかげで、D5まで行ってしまいました。就職組にはそれは許されません。
それでも採取試料実験組のひとりは、今年の初秋が例年と全く違った状況で、想定とは全く違うセッティングになってしまいました。来年の同じ時期の再実験にかけるのは危いので、今はひたすらリカバリー対策を考えてもらっています。
この1年半で、就職組の学生さんは学外との共同研究には向かないことも学びました。学外に行くのは、専攻で日常的にできないからです。当然ながら、学ばなければならないことがたくさんあります。しかしM1の夏学期は必修科目が毎日のようにあります。冬学期は就職活動で、企業から呼び出しがあったら、学外で実験する予定をキャンセルしてでも行かなければなりません。ですので来年度以降、就職組の学生さんは、専攻内でできるテーマで考えてもらいます。現状、陸水学の研究室として使える装置やスペースは、あまりに貧弱です。解決の展望がここ数年で見えないようなら、大局的な決断が必要になるかもしれません。