海洋研究に携わる若手を育てよう

海洋開発に関する、国レベルの委員会に出席しました。
関係省庁の来年度概算要求が「海を知る」「海を守る」「海を利用する」「国際協力」と大きく4つの観点から分類されていたのですが、<海洋を総合的に理解する資質を備えた若手研究者・専門家を育てる>という項目はありませんでした。
「人材育成については、個々の項目に散在して入っているのでしょうか。だとしたら、それらを合わせたら、海洋関係予算全体の何パーセントくらいになりますか」とお尋ねしました。人材育成に関する予算がないわけではないが、全体でどうかは把握していないとのお答えで、次回までに調べていただけるそうです。
最近は若者の派遣社員増加との関連で、この国は社会として次世代を育てようとしていないとの批判が、以前より頻繁にマスコミで取り上げられているように思います。そして、海洋国家でありながら、海が関わる総合科学の筆頭である地学が高校で教えられていなのが、日本の現状です。海洋が関わる分野は他分野以上に若手を育てる取り組みを重視すべきであると私は考えますが、概算要求のなかで、そのような認識が額として反映されているのかどうか興味深いところです。

追伸:この委員は産総研にいたころから勤めているのですが、他の委員の方から「最近はどこの海に潜っているのですか?」と問われて「いえ、今は『陸域』の教員ということで、おおっぴらに海やってないんですよ」と答え、「冗談みたい!」といわれちゃいました。大学に移るときにかつての指導教員から「1年くらいはおとなしくしていなさい」とかいわれたのですが、もう1年たったし、やっぱり海の研究もしたいこのごろです。
このブログでもたびたび書いてきたように、吉村信吉先生にしても、西條八束先生にしても、東大陸水学の大先輩はお二人ともLimnology and Oceanographyの両方で業績を積まれた方々ですし。