秩父の花粉

D4のT君が酸性雨による窒素飽和研究を進めてきた秩父地方。幸いここには大学の演習林があるので、その敷地で、降った雨が土壌でどのように変化するのか実験できないか、ご相談に行きました。
演習林の事務所は西武秩父駅から歩いてすぐのところにあります。特急を降りたとたんに「すごく花粉が飛んでる」という気はしたのですが、初めてお会いする人に花粉用ゴーグルにマスクでは怪しい人という印象を与えかねないと、その日はマスクしかしていきませんでした。かつそのマスクもご挨拶前に外しました。
順調に相談が進み、現地にご案内いただくとなったときに、事務所の方がマスクをつけ、お一人はその上にスキー用のゴーグル。「秩父の花粉って、天気予報の花粉情報以上のものがありますよ」やっぱり。その威力たるや、視察後おいとまして近くのファミレスで食事をしたのですが、目はかゆくてしわしわになるし、食事中も鼻をかみっぱなし。しばらく前から飲んでいたアレグラの効果を完全に帳消しにする猛威でした。
普段はそれほど症状がないD4のT君も咳き込んでいて、今のところ全く兆候のないM1のH君が「こうはなりたくないですねぇ」。いやいや、あなたもここをフィールドにしていると、刺激の閾値を超えて発症するかもよ。
どうして秩父はこれほど花粉がすごいのか、帰りの車内で話していました。杉の植林が多い上に、盆地だから空気がよどみやすくてたまっているのではないか、それに加えて、T君の研究で示されたように首都圏からの燃焼起源エアロゾルも集積するところだから排気ガスの影響もあるのではないか。だとすると、T君のテーマは大都市近郊の渓流域がねらい目だから、どこを対象にしても大なり小なり花粉との戦いは必然になるのかな。