生物研究社の月刊誌「海洋と生物」最新号(181号)の特集は「海の貧栄養化とノリ養殖」。サステナブルな一次産業とは何?環境問題って何?と、いろいろ考えさせる内容です。
たとえば、有明産ノリの色落ちから諫早湾締め切りという公共工事に批判が集中したのですが、この特集の115ページに下記の記載があります。
「わが国の主要なノリ生産海域の中で、近年生産を増加させているのは、仙台湾と長崎県を除く有明海だけである。有明海では、2000年の大不作の後、翌年には回復した。佐賀県は長期的に生産を増やしている。福岡県および熊本県は、2000年を除くと、1990年頃からほぼ横ばいである。」
また144ページには次があります。
「全国各地の沿岸・内湾域で実施されてきた全窒素・全リンの負荷削減という考え方は、高度経済成長に伴う急激な富栄養化の解消という点で、一定の効果をあげた。しかしながら、ノリ養殖を含めた生物生産の現状を考えると、発想を転換し、新たな概念に基づく、沿岸・内湾域の管理対策を講ずる必要が生じていると考えられる。」