核兵器の神話

北朝鮮による核実験の報道があった翌26日、駒場での講義を終え、井の頭線から銀座線に乗り換える途中にあたる渋谷マークシティ」2階連絡通路で「明日の神話」を眺めていました。
岡本太郎が原爆炸裂の瞬間を描いた、縦5.5メートル、幅30メートルに及ぶ巨大な壁画。写真の図だけでも、人の2人分以上の高さがあります。
正義なんて神様の数だけありますし、異教徒を殺戮することを是とする宗教だってあります。
一方で、人間という種の深層心理なのか何なのか、たとえば花を醜悪なものとする民族はたぶんなくて、それをなにがしか美しいものと感じることは人間共通の感覚だろうと思います。
岡本太郎のこの作品は、そういう共通の感覚に訴える部分で、原爆とは何なのかを伝えようとしているようです。
核兵器の現状について、だからどうすればいいと即効性のある解決策を思いつくわけではありませんけど、この絵と対話することでその後の行動が少しづつ変わっていく人は、皆無ではないでしょう。