昨日の手賀沼の調査は、魚の食性を安定同位体比を使って解明するために、植物プランクトンや動物プランクトンの採集に行ったのでした。
7月に引き続き、水の色はどうみても珪藻色。かつてはアオコの湖だったのに、藍藻の気配は全くなし。動物プラントンはというと、いくら目をこらしても、ミジンコなど動いていそうなものはおらず。一方で無機質の懸濁物は多そう。これは分析無理かも、そもそも濾過が大変そう、と思って大学に戻りました。
案の定、濾紙はすぐに目詰まり。仕方ないから、遠心分離して上澄みだけ濾過するようにして、沈んだものはそのまま凍らせてフリーズドライにでもすれば?と提案。にしても、2リットルとか遠心かけるのすごく大変だろうからと、そろそろバテたかな?という頃に実験室に様子を見に行ったら、「先生、見てください!しばらくこれで盛り上がってたんです」
言われて顕微鏡をのぞくと、ワムシ「だけ」がびっしり乗っています。すご〜い、どうやって分離したの?
「ボトルを静置していたら、上の方だけに何か凝集してたんで、それを検鏡したらコレでした」。なるほど。分離は濾紙か遠心分離という先入観に毒されていなかったことと、観察力の賜ですね。動物プランクトンの分離、これからは走光性とかの利用も考えてみよう。
学生さんたちは植物についてもさっそく検鏡していて、プランクトンだけでなく、ハスの茎についていた付着藻類も珪藻だけ、緑藻類も藍藻類も付着していなかったとのことでした。
16年前に柏に住んでいた頃はアオコ、大きな動物プランクトン、ハシビロガモというイメージだった手賀沼、なんだか別の湖を見ているみたいです。