地質調査所に採用していただいたときの次長、後に所長になり、名古屋大学教授として転出されたO先生の褒賞祝賀会がありました。
私が採用されたのは、今を去ること約20年前。公務員試験ではなく、博士の学位取得の条件で採用された最初の女性が私でした。きっと大英断だったろうと思います。
当時も既に温暖化は注目されていましたが、O先生には「二酸化炭素だけでなく、もっと総合的に検討するべきだ」と主張され、次長、所長の仕事と平行して「グローバルチェンジセミナー」と命名した勉強会を主宰していました。30代の、研究さえしていればよかった当時の私には分かりませんでしたが、マネージメントに追われる幹部職が自ら勉強会を主宰して文献や研究紹介をするのは、大変なことだったと思います。
その頃のO先生は、今の私の年齢より少し上くらいではなかったかと思います。あと数年後に私は、たとえばその後に女性研究者が能力を生かせるようになる大英断を下せるのか(そもそも、そういう英断を下せるポジションにいるのか)、またマネージメントをしながら研究の新しいトレンドを自らサーチするだけの時間管理をできるのか。大学に移ってからの、ここ2年半のペースじゃダメだろうなと、大いに反省しました。