人は本来サプリメントは不要?

10月8日(木)放送「どうつきあう サプリメント〜明らかになる“健康被害”〜」で、コメンテーターの方が「人間は本来、食べ物で栄養を摂取してきたのであって、サプリメントがでてきたのはごく最近」と、そもそもサプリメントは不要、という意味にもとれそうな発言をされていました。
私は、一概にそうは言えないのではないかと思います。なぜなら、人間が本来、食べ物で栄養を摂取してきたのと同じくらい、クルマも使わずに移動し、電化製品を使わずに作業をし、さらにその作業の大部分は農作業など、かなり重度が高いものだったからです。
そういう日常生活で必要となるカロリー量は、現在よりもずっと高かったはずです。同じように麦飯を食べるにしても、必要カロリーを満たすためにたくさん食べれば、少しだけ食べるよりも多くのミネラルも同時に取ることができます。魚や野菜の「カロリー:その他の栄養素」の比が、クルマや電化製品以後に格段に変わっているわけではありませんから、消費カロリーが少ない現代人は、その他の栄養素を十分にとれるほど食べればメタボ気味になり、カロリーに合わせればその他の栄養素が不足気味になるのではないかと思うのです。
もちろん、番組で指摘されていたように、薬との飲み合わせや、取りすぎが深刻な事態を招く体質の方については注意が必要だと思います。また、サプリメントは栄養補完であって、治療薬ではないという意識は大切だと思います。サプリメントの品質を保証する仕組み作りは是非必要です。
私は脳脊髄液減少症を煩っていて、脳が縮むことで、いろんなわけのわからないことを経験しました。視界がぼやけるとか、疲れやすいなどの自覚症状だけでなく、大腿部の静脈が網目状に浮き出て見えるという、他の人にも明らかに見える症状もありました(ブラッドパッチという手術を3回受けた結果、おかげさまで静脈はすっかり見えなくなりました)。この後遺症の原因は髄液漏れですが、それによって何が起こるのかは、まだ医学的に十分には解明されていません。内分泌系を含む様々な代謝も、もしかしたら影響を受けているかもしれません。そんな自分の体にどう対処すればよいのか、サプリも含め、何かを1〜2ヶ月続けた結果、それ以前とどう違うかを比べて、取捨選択してきました。
そもそも良い・悪いではなく、サプリメント摂取を始めるにしてもやめるにしても、自分の体質、ライフスタイルなどを総合的に考えて、様子をみながら自分で決めていく姿勢が大切ではないかと思います。