化学物質問題市民研究会のニュースレター「ピコ通信」134号に「環境省/子どもの健康と環境に関する 10 万人全国調査 基本計画案提示/化学物質曝露と子どもの健康との関係が明らかにされるか」との記事がありました。子どもに対する環境リスクが増大しているのではないかとの懸念が世界的に増大する中、デンマーク、ノルウェー、米国で10 万人規模の子どもを対象とする大規模な疫学調査が開始され、さらに、2009 年のG8 環境大臣会合において、この問題の重要性が再認識され、各国が協力して取り組むことが合意されました。環境省は調査で検証すべき仮説を専門委員および公募で検討し、下記について、全国で10 万人を対象とした新規出生コーホート調査を実施し、参加者(子ども)が13 歳に達するまでフォローアップを行うことになりました。詳細は、
http://www.env.go.jp/chemi/ceh/consideration/h21/pdf/mat03.pdf
でご覧になれます。
かくも多様勝深刻な影響を、親が化学物質に接することで受けるかもしれないわけです。信号が黄色なら突っ込まずに停止すべきなのと同じで、これから結婚して子供を育てる可能性がある青少年世代は、化学物質への曝露を極力少なくするよう気をつけてほしいと思います。また社会そのものも、そう変わってほしいものです。
妊娠・生殖班:
1) 化学物質のカップルへの曝露が性比に影響を及ぼす。
2) 妊娠中の化学物質の曝露により、妊娠異常が生じる。
3) 妊娠中の化学物質の曝露により、胎児・新生児の成長・発達異常が生じる。
先天奇形班:
1) 環境中の化学物質が先天奇形の発生に関与する。
2) 先天奇形症候群奇形発症は、遺伝的感受性と曝露量の複合作用による。
精神神経発達班:
1) 胎児期及び幼少期における化学物質の曝露が子どもの発達障害及び精神神経障害に関与している。
2) 胎児期及び幼少期における化学物質の曝露が子どもの精神神経症状に関与している。
免疫・アレルギー班:
1) 胎児期及び幼少期における、近代的環境で著しく増加した化学物質の曝露が、子どものアレルギー疾患に関与している。
代謝・内分泌班:
1) 胎児期及び幼少期における環境中の化学物質の曝露が、小児期から成人期の肥満、インスリン抵抗性、2 型糖尿病の発生に関与する。
2) 胎児期及び幼少期における環境中の化学物質の曝露が、小児期及び成人期の骨量・骨密度に影響を及ぼす。
3) 胎児期及び幼少期における環境中の化学物質の曝露が、小児・思春期の成長に影響を及ぼす。
4) 胎児期及び幼少期における環境中の化学物質の曝露が、思春期及び成人期の性成熟・生殖能力・性腺系発癌に影響を及ぼす。