2008年2月19日付記事で第6回脳脊髄液減少症研究会を拝聴した感想を書きましたところ、「ブラッドパッチは「やったら逆に悪くなった」等の体験談をよく見かけるので、『切開して、確かに穴があって髄液が漏れていることを確認した部分を縫合して塞ぐ手技』をしてくれる病院を教えてほしい」との問い合わせがありました。
要旨集を読む限り、まずはブラッドパッチで回復するかどうかみて、何度やってもどうしても治らない場合にこの手技をしたと解釈されましたので、直接、その手術を執刀した先生に問い合わせてみました。
やはり、その先生も「まずはブラッドパッチです。当院ではその後、この手術はしていません。みなさま、ブラッドパッチで回復されています。この手術は、執刀中に予期していないことがいろいろでてきて、本当に困難な手術でした。このような大変な手術をブラッドパッチをせずに最初からというのは考えにくいです。」との趣旨のお返事をいただきました。
第6回脳脊髄液減少症研究会では、海外の文献もあわせて、ブラッドパッチの副作用をまとめた発表もありました。結論として、世界的にもブラッドパッチは、重篤な副作用がほとんどない手技とされていました。
その旨、お問い合わせになった方にお伝えしたところ、「ブラッドパッチの副作用が多数報告されている2ちゃんねるの該当スレッドは、匿名掲示板と閲覧者が非常に多いという性質上、保険適用を阻止したい保険会社の回し者、いわゆる工作員と呼ばれている人達が、虚偽のブラッドパッチ副作用説を流布している可能性もあると思いました。」
いろいろな考え方があると思いますが、最大の問題は、この後遺症が正式に認められていないことだと思います。だからブラッドパッチをしている先生方もHPなどで公開しにくい面もあり、情報が整理されていなくて、患者様の不安をあおる状況を生みやすいと思います。
これほど患者がいる現実を、厚生労働省は、そしてこの後遺症をなぜかどうしても認めたがらない、認めるにしてもかつての水俣病認定よりひどいんじゃないかと思われる、患者数を限定することが目的とアリアリ分かる認定基準にしようとしている医師達は、どう考えているのでしょうか。できるものならそのような先生方全員が、私のように交通事故に遭って、この後遺症になってほしいと思います。そうすればこの後遺症が確かにあること、様々な症状が現れること、それがどれほど辛いことか、ようやく納得できるでしょうから。