今回の学会は、ラグーン(潟湖)に関わる研究者どうしで議論するだけでなく、行政や市民団体なども参加して議論するセッションが2つあって、それらはミニシンポジウムと名付けられていました。私が招待講演したのはそのひとつで「生物多様性」がテーマだったのですが、もうひとつのテーマは「化学物質がラグーンに与える影響」でした。私としてはむしろこちらの方が関心があって、最初から最後まで聞いていました(それが大会委員長に見つかって、いきなりコメントを求められて青くなりました^^;)。
下記の写真は最後の発表で、家庭や公共で使用される農薬をいかに減らすかという取り組みが紹介されていました。
Accepting weeds within urban area.街に雑草があってもいいじゃない?
Gardening without using pesticides.農薬を使わない庭造り
といった文章が見えます。
農薬の使用は人間の健康にも悪影響を与えること、代替技術を開発すること、などを目指しているそうです。
このセッションでは、周辺で米作を行っているラグーンを対象にした、米作で使用される農薬の影響が発表されてました。他のソースはほとんどなく、ラグーンで検出される有害な農薬の大部分が水田からの流出であるという結論でした。日本では水田で除草剤を広く使うようになってから水草・海草が減ったと招待講演で話したこともあり、今後議論を呼びそうです。