水に流したい気持ち

1月23日に開催するシンポジウムでLOICZの紹介をお願いしたNewton博士が19日に来日しました。彼女には長崎の五島で、中国から流れてくる海ゴミの実態を視察いただくことにしています。長崎行きの便を待つ間、世界中を歩いている彼女ならではの話をしてくれました。
環境意識が高いイメージがあるヨーロッパですが、彼女が住んでいるポルトガルの海岸には、ヨーロッパのあらゆる国の船から廃棄されたゴミが、国立公園の海岸に漂着するそうです。「船員は海をゴミ箱と思っている」確かに、そういう面はありますね。
招待してくれた知人とインドの海岸に行ったら、ピクニックで生じたゴミを捨てようとしたそうです。実際、あたりはピクニックゴミが山になっている一角があって、「ここではみんなやっていることだから」。でも、私はその新たな1名にはなりたくないわと言って、持ち帰ってもらったとか。
どうしようもないと感じたのは中国の海岸で、そこで彼女は面白い見解を示してくれました。
「日本では浜辺で寝転がるのは普通?」「今の季節はともかく、夏とかなら」「でしょう?中国の浜辺では、そういう光景を見たことがないの。そういう習慣がある民族なら、あそこまで海を汚さないんじゃないかと思って。」
ゴミを水に流したい気持ちはどうも人間には多少はあって、でも海でそれをする度合いは、浜辺で寝転がるのがレクリエーションになっている民族の方が、そうでない民族より少ない、というのが彼女の印象みたいです。