たった1年ちょっとで。。。

2008年11月、学位論文の中間発表で当時D4だったT君が「秩父の渓流河川は燃焼起源窒素で硝酸濃度が高くなっている」と発表したら、「君、富栄養化について基礎から勉強しなさい」みたいなコメントが多々あって、彼は危うく審査に落ちるところでした。
それから1年ちょっと。。。
昨年6月には「森もメタボ」の記事で森林域が窒素メタボになっていると報道され、昨年後半には河川環境管理財団によって、燃焼起源窒素が全国的に渓流水の硝酸濃度を高めているとの講演会が開催され、そして1月16日には

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日本国際賞:岩崎・東北工業大理事長、ビトーセク米スタンフォード大教授が受賞
国際科学技術財団(吉川弘之理事長)は15日、画期的な成果で社会に貢献した研究者を顕彰する今年の日本国際賞を、岩崎俊一・東北工業大理事長(83)とピーター・ビトーセク米スタンフォード大教授(60)に授与すると発表した。授賞式は4月21日、東京で開かれ、両氏に各5000万円が贈られる。
岩崎氏は、パソコンなどの記録装置に使われるハードディスクの容量を飛躍的に高める「垂直磁気記録方式」を77年、世界に先駆けて提唱。開発も手がけた。現在の情報化社会を築いた基盤技術と評価された。
ビトーセク氏は、化石燃料の燃焼や肥料など人間による窒素の供給が、他の元素の地球規模の循環に影響し、河川や海の汚染、土壌や地下水の酸性化などを招いていることを明らかにした。

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との記事が出てました。

それでわずか1年ちょっとで、「あんな手厳しいコメントがでるということは、この問題が、少なくとも日本ではまだあまり気づかれていないってことじゃない?」と慰めていたのが、「早く書かないと、みんなやってるじゃないの。あなたの発見なんて、すぐに気づかれるわよ」とT君を叱咤激励する羽目になってしまいました。

今年の修論は2名が燃焼起源窒素をテーマにしています。これほどホットになってきたこのテーマ、来年以降の学生さんには、どう攻めてもらいましょう?