余裕と冒険の30代

手賀沼組の学生さん達に特注の極小酸素瓶を使った溶存酸素分析の注意点を伝えようと若い頃の実験ノートを探していたら、すっかり忘れていた「堆積物の色素」ノートがでてきました。湖沼の柱状堆積物の色素から、かつてどのような植物プランクトンが優占していたかわからないか。またサンゴ骨格中の微細藻類についても、優占している分類群を色素で決めれないかと考えて、地質調査所の先輩に基礎を習いながらスペクトルをとったり、お隣の微工研の知人にどういうカラムで分離したらよいかを相談したりした記録が残っていました。そう言えばサンゴ骨格の藻類がおもしろくて、顕微鏡の改造もやっていました。
35歳の時なので、宍道湖・中海の5年物プロジェクトを動かしつつ、かつ、まだ可愛らしかった3歳の息子の育児が楽しくてたまらなかった頃です。2年後に事故に遭うまでは、こんな感じで日々が充実していました。
今の30代の女性はまだパーマネントにつけなくて、プロジェクト以外の研究も冒険してやってみるとか、ましてや出産・子育を楽しむ余裕がとれない例が多いのではないかと思います。男女共同参画関係の仕事の依頼はすべてお受けして、できるところから状況を変えたいと思っているのですが、何からどう動けばよいのやら。