カワヒバリガイ

とある地方のカワヒバリガイ分布域について、調査担当の方からお話をうかがう機会がありました。
カワヒバリガイの原産地は中国から東南アジアの平野部だそうです。そんなご近所にいた淡水種、稲作の伝播とか来る機会はいろいろあったでしょうに、どうして日本にこれまで来なかったのでしょう?あるいは来ていたのかもしれませんが、なぜ現在ほど広がらなかったのでしょう?
前者については、研究者によっては、現在ほど大規模に水産対象種を放流していなかったためと考えられています。
後者について私自身は、大陸河川的な環境が多くなかったため、と考えています。近代までの日本の河川は洪水で基盤は流されるし、水位変動も激しく、また勾配もきついので浮遊幼生が上流方向に拡散するのは大変です。しかし現在は水路という、水位一定、安定した基盤、ゆるやかな勾配という、まるで大陸河川のような環境が創出されています。
今回教えていただいた分布状況から、やっぱりそうなんだろうなぁと思いました。その担当者の方から「どういう条件だと着底するのか」とのお題をいただきました。「大陸河川」というキーワードから実験してみるとよいかもしれません。
なお、その調査では従来コウロエンカワヒバリガイとされていたのが、カワヒバリガイだった例もあったそうです。おやおや。。