線維筋痛症と化学物質過敏症

化学物質過敏症支援センターの会報第55号に掲載された「CSと近縁疾患『線維筋痛症化学物質過敏症』2」に、脳脊髄液減少症がなかなか改善しない人は化学物質過敏症を併発しているという私の仮説に沿う記載がありました。以下、CSは化学物質過敏症、FMは線維筋痛症です。また脳脊髄液減少症の患者様の少なからずが、線維筋痛症患者でもあります。
上記記事には「FMの化学患者さんの中には、化学物質過敏症を併発している方がかなり多い。先に化学物質過敏症を発症し、それが重症化してきたときに、線維筋痛症の症状が新たに出てそれも重くなったという方もいる」とありました。
脳脊髄液減少症について、硬膜が裂けたまま塞がらないのは、化学物質による代謝異常が原因だと私は考えています。脳脊髄液減少症患者は、むち打ちなどにさえならなければ、化学物質の影響は普通に生活できる程度でした。しかしその後も化学物質の影響が続いたこと、もしくは新たに処方された薬剤などにより化学物質汚染がさらに進み、ある閾値を超えるころでFMやCSと呼ばれる症状も併発するのではないかと。
上記報告は下記で結ばれています。私も「地理的分布」特性があるのかどうかをかなり気にしています。たとえ分布に特徴がなくても、特徴がないという事実そのものが原因物質について、かなり有力な情報を与えます。
私自身が慣れぬ教授職に早く慣れて自らこういう研究を展開するのが先か、このブログを見て、陸水研ならこういう研究もできると思って誰かが進学してくるのが先か。。。

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CSは、それがストレスではなく、有害物質であるとすれば、FM患者としては、CS発症のメカニズムについて、よく理解できるところがあります。CSの治療・回復には、環境問題からのアプローチとともに、医学的アプローチが絶対に欠かせないだろうと感じます。
資料を拝見して思うのは、まずは国が音頭をとってCSの全国的な疫学調査を行うべきなのではないかということです。
2003年に全国調査が行われ、推計患者数70万人という結果を得たということですが、その後の推移が気になります。患者数だけでなく、地理的分布、患者さんがどういった地帯、地域に多く発生しているのかという分布図、重症・軽症の割合、男女比、年齢比などを把握することが必要なのではないかと感じます。
そういった調査を定期的に行って、患者数の増減や発生の傾向について、国や民間が具体的に把握することが、ぜひとも必要なのではないかと思います。