フィールドワーカー

知り合いのA先生から電子メールの年賀状が届きました。
「生涯現役を目指して7.5km/30分のランニングマシン+1.5kmクロール/32分を継続中」て、今年還暦を迎える大学教授とは思えないですね。
「生涯現役」というのは、おそらくフィールドワーカーとしてという意味です。教授というポジションはフィールドに行く時間を取りにくいものですが、A先生はしょっちゅうフィールドに行っていて、しかもメールが届かない山奥の川がメインなので、連絡を取るのに苦労します。フィールドではどんな若い学生より早く歩き、急流とか断崖も率先して進んでいます。「大将が先に行かないと歩兵はついてこないから」とか言ってました。
A先生からは大阪教育大で開催された陸水学会以来、いろいろアドバイスを頂いています。オーストラリアの湖沼におけるシャジクモ由来骸泥について発表されていて、その頃私もロシアのシャジクモ由来骸泥を研究していたので、講演後の休憩時に質問に行ったのがきっかけでした。この時の学会はかなり暑くみな薄着だったので、A先生の年齢とかけ離れた体格の良さが服の上からも分かりました。これは信用できる人だと思いました(逆に、フィールド研究をしているといいつつ、腰まわりがだぶついていたり、色白な人の学説は、用心して拝聴することにしています)。
フィールドべったりの方は論文を書くのが遅い例がままあるのですが、A先生のフィールドに行ってから国際誌に投稿するまでの速度は、ほとんどミラクルです。年賀状に「去年は3つのジャーナルの編集で追われ、自筆の時間がとれず苦戦した。国際誌年間掲載論文10編は12月に入って何とかクリアできた。」とあるように、 毎年国際誌を10本以上掲載し続けています。私の場合、共著を含め国際誌に年10本以上載せたのは、脳がやられる前でも一度しかありません。あれを毎年続けるなんて、すごいなぁと思います。知り合いにこういう方がいると、脳もだいぶ回復したことだし、国際誌筆頭年3本キープ程度は挑戦しようかな、という気にもなります。
博士課程進学予定の学生さんたちは将来の就職に不安があるとは思いますが、A先生くらい仕事していれば大丈夫だと思います。そしてA先生から分かるように、フィールド研究の基本は体力ですよ。