霞ヶ浦流域での総合的な里地保全活動、ユネスコ未来遺産登録へ

日本ユネスコ協会の「プロジェクト未来遺産」にNPO法人宍塚の自然と歴史の会」の取り組みが登録されました。
タイトルは「水と林と田んぼのハーモニー 里山がくれた生き物と歴史の玉手箱 宍塚の自然と文化を次世代に
リンク先にある写真は、浮葉植物のハスによる環境悪化を防ぐために、20年以上続けておられるハスの刈り取り作業です。“関東最大級の里山里山での人々の暮らしや文化を守り伝える。”とありますように、生態系保全を地域固有の暮らしや文化の一面として捉え、総合的に活動されています。国立環境研究所や筑波大学の自然科学系の研究者と共同で、科学的な調査もきちんと行った上で取り組みを検討されています。その内容はしっかりした報告書にまとめられています。
今後のさらなる発展を期待したいと思います。
みなさまもお近くに来られたときには、是非、宍塚を散策してみてください。どの季節にもそれなりの風情がありますが、私が好きなのは初夏です。青葉の里山と、会の方々が耕している谷津田とのハーモニーが素敵です。
ホームページや実際に歩いてみて、この取り組みを応援したいと思っていただけましたら、下記リンクから応援投票お願いいたします。
http://dicamera.net/test3/?page_id=2


追伸:NPO法人アサザ基金里山の活動を看板のひとつにしていますが、取り組み方に上記NPOとは本質的な違いがあると思っています。どうすればよりよい環境になるのか、対象を本当に大切に思っていたらより慎重に、かえって悪影響がないように、科学的に確認してから取り組むはずです。宍塚の会はその姿勢が明確ですが、アサザ基金の方はどうでしょうか。
ところで、私のブログでのアサザ基金に対する批判(粗朶を使った消波堤を作り、その岸側に浮葉植物であるアサザを植栽する事業は環境悪化を招くとする指摘)に対して「市民団体の批判は弱い者いじめ。国などを批判してはどうか。」という趣旨のメールが昨年は3名から寄せられました(いずれも名前を挙げてブログで掲載してよいか確認したところお返事がありませんでした)。
一度失われた水環境を失われる以前の状態に「再生」することはほぼ不可能です。だから市民団体の活動であっても、科学的に環境悪化が予測されるときには(ましてアサザ植栽事業の場合、現実に酸欠が生じたとの観測結果もある)、科学者として指摘しない方がむしろ怠慢でしょう。