それぞれの科学?

久々にWikipediaで「アサザ基金」を検索したら、同基金の広告のような文章になっていました。
Wikipediaについては、時々「内分泌攪乱物質」も見ています。英語も読める方は、英語と日本語で解釈に正反対の場合もあることが読み取れて面白いと思います。
要は、書いた人の恣意がそのまま反映する場合があるということです。

そのアサザ基金のホームページは、科学者に対して「非科学的」との批判が随所に見られます。そう言うからには、ご自身の書いたものに対していつかはきちんとチェックするのかなと思って数ヶ月待ちましたが、一向に修正する気配がないので指摘しておきます。
http://www.kasumigaura.net/asaza/03activity/01lake/01sizen/index.html#shizen-1
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アサザは水面に浮く葉から茎が湖底に向かって伸び、そのまま湖底の土の中の地下茎につながっています。水面に浮くたくさんの葉のそれぞれには小さな穴がいくつも開いていて、ここから酸素の少ない湖底の根にまで空気中の酸素を水中の茎を通して送っています。アサザはこのような通気システムを持っているため、アサザ群落の下の水底には酸素が根から供給されます(Grosse W, Mevi-Shuetz J (1987) A beneficial gas transport system in Nymphoides peltata. American Journal of Botany, 74, 947-952.)。
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ハスの根はレンコンですが、大きな穴がありますね。これにより、レンコンの「根」には酸素が供給されますが、レンコン畑の「水底」に酸素が供給されているでしょうか。
また、引用している文献をアサザ基金は実は見てもいないと思います。英語が読めなくても、上記文献にある下記の図を見れば、この論文の結果から「水底に酸素が供給される」ことが言えないことが分かるからです。もし読んでも分からなかったのだとしたら、同基金の「科学」とは、我々科学者が使っている「科学」とは別物なのでしょう。

GROSSE AND MEVI-SCHUTZ (1987)より