本当に想定外だったのか?

日経サイエンス2011年6月号に表題の記事がありました。以下は抜粋です。
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2009年6月と同年7月,経済産業省総合資源エネルギー調査会の会合で,福島第1・第2原子力発電所の耐震安全性が議論された。
委員として出席した産業技術総合研究所活断層地震研究センターの岡村行信センター長は報告書案に貞観津波の調査研究が反映されていないことを指摘,再検討の必要があることをかなり強く求めた。公開議事録に残された岡村氏の発言。
「ご存知だと思いますが,ここ(福島県沿岸)では貞観津波というか,貞観地震というものがあって,西暦869年でしたか,少なくとも津波に関しては (中間報告で検討されている)塩屋崎沖地震とはまったく比べものにならない非常にでかいものが来ているということはもうわかっていて,その調査結果も出ていると思うんですが, (報告書案が)それにまつたく触れられていないところは,どうしてなのかということをお聴きしたいんです。」
結局,これらの会合の後,中間報告書案が若干の修正をされた後,承認され,東京電力は最終報告案のとりまとめに入ったが,その間,貞観地震級の大地震・大津波に対して特段の対策が取られることはなかった。そして原発は大津波に襲われた。