鳥取県立かにっこ館

松江在住、公共用水質分析の師範であるK博士から、「鳥取市でお勧めは、かにっこ館」と言われました。今回の鳥取出張で幸い立ち寄れました。確かに。どんな出張でも暇さえあれば水族館訪問は外さない私がこれまで見てきた水族館の中でも、ここはお勧めランク、ナンバーワンです。
パンフレットにもあるように、「カニが主役の小さな水族館」です。
その中に、カニから見た海の生態系から、人と海との関わりが見えます。子供達が見ているのはズワイガニが住む深さ数百mの現場そのものではありませんが、現場ではカップラーメンのカップがこれくらい縮むという現物を見せて、物から想像させています。
霞ヶ浦ではアサザ基金というNPO法人が公立学校などで、アサザを植えればやがては霞ヶ浦コウノトリが舞い、やがてはトキが来ると、トキ復活の専門家の方が「本気じゃないのでは?」とコメントするような絵を見せる環境教育を行っているようです(とホームページに書かれています)。自然はどうなっているのか、どうすればよいのか、教え込むのではなく現実を観察して考える姿勢を育てるのが、環境教育のあるべき姿だと思います。
鳥取県は一人当たりカニ消費量が全国一ということで、この水族館ができたようです。
海という、およそ陸上とは比べられない生物の歴史をもつ場を対象としながら、あえてカニだけに特化した、人と自然の在り方を問う水族館です。
写真はズワイガニの赤ちゃんから成ガニまで。食用になるまで10年もかかるのですね。