息子への差し入れ

震災のために卒業式もできずに高校を卒業し、店舗の損壊で満足な背広も買えず、ぎりぎりの集荷で送れるものだけを持たせて大学に進学した息子。
あれから5ヶ月。先日里帰りした息子は、改めてあちらに持って行く物をまとめて、大学に帰って行きました。今日はそれらを箱に詰めて、ついでに父が2005年に漬けた梅干しとか、娘が今年作った梅ジュースの梅とか、我が家ならではのものも隙間に詰めています。
津波で家が流された地域や放射能汚染で避難している地域の親は、進学した子供の里帰りもままならず、我が家の味を送ることもできないでいるでしょう。親として当たり前にできていたはずのことができない状況は、やりきれないことでしょう。命に別状が無かったとしても、生活のあらゆる面で「こんなはずではなかったのに」に直面されていることでしょう。
お金で元に戻せることは極めて限られています。地震に限らず、交通殺人や化学物質被害など、人の命と健康に関わるあらゆることについて、起こったら取り返しがつかないからこそ、予防原則を基本にすべきだと思います。