アサザプロジェクトは私人の営利活動に過ぎません

アサザプロジェクトによるアサザ植栽事業は、霞ヶ浦と子供達を営利目的で食い物にしているに過ぎません。なのに「環境再生運動」との誤解が蔓延していることから、アサザプロジェクトはこれまで経験した中で最も悪質な環境破壊活動とみなしています。
以下がその根拠です。

(1)アサザを植えることで水生植物帯が回復し、湖沼生態系の再生につながるというのは真っ赤な嘘です。科学的にそのようなことはあり得ませんし、実湖沼でもそんな例はありません。
(2)アサザを植えることで水質が浄化することもありません。これはアサザ基金自らが、そのような主張をしたことはないと、ホームページで宣伝しています。
(3)粗朶消波堤は汚濁負荷となりました。漁業にも被害を与えました。このことは報告書として公に公開されているところです(「河川環境総合研究所報告第14号(平成20年12月)」の「霞ヶ浦湖岸植生保全対策のモニタリング・評価と順応的管理」)。しかしアサザ基金はいまだに粗朶消波堤をホームページで宣伝し続けています。

実はアサザ基金は上記(1)に気づいているので、アサザ植栽によって沈水植物が再生することはないと明言しています。ではなぜアサザ植栽をするのか、アサザ基金の膨大なホームページを読むと、根拠が全く分からない状態になっています。言い訳で塗り固められているからです(9月3日記事参照)。

アサザプロジェクトが行われている水域には、かつては二枚貝が生息していました。ワカサギも来ていたことが、国の報告書に記載されています。今、霞ヶ浦(西浦)のこれらの場所で、二枚貝が消滅しました。二枚貝が減ると、二枚貝に産卵するタナゴ類も減ります。私が行った調査では、消波堤の内側では、生物に極めて有害な硫化物も蓄積しています。アサザ植栽事業が行われている所では、明らかに環境が悪化しています。逆によくなっているという報告はありません(アサザ基金はよくなっていないと明言された上記14号の最終報告ではなく、中間報告(「河川環境総合研究所報告第11号) を意図的に引用して誤魔化しています)。

それではなぜ、アサザ基金は現実を無視し、詐欺まがいの宣伝を繰り返してアサザ植栽事業を続けているのでしょうか。アサザ基金にとって生活がかかっているからと考えると、納得できます。アサザ基金は他に職業がある市民によるボランティア団体ではありません。彼らは企業からの寄付や委託事業で生活しているのですから、アサザ植栽や、原宿で風船を配るなど、パフォーマンスで知名度をあげることが重要なのです。ですから、何があっても植栽事業はやめたくないのでしょう。「市民型公共事業」という美名のもとに、実は止まらない公共事業と同じ構図になっている点は、人文科学からも検討していただきたいところです。
NHKでさえこの事実を見過ごして、あろうことかアサザ植栽が環境によいと洗脳する授業を、「道徳番組」で紹介しています。科学部に売り込むと嘘がばれると思ったのでしょうか。私人の営利活動を公共放送で宣伝することになると厳重に抗議し、アーカイブからの削除を求めているところです。

追伸:
もしアサザ基金が事業収入のためではなく本当に環境再生を目指しているのなら、名誉毀損で訴えたくもなるはずですが、おそらくしないでしょう。なぜなら、このブログで何度も紹介したように(過去の記事は左上の検索で「アサザ」といれるとでてきます)、地元ではアサザ植栽は環境破壊であると、粗朶消波堤が造成される以前から公開で議論してきたのに、飯島氏は詭弁を弄し無視し続けてきたからです。訴訟を起こしたらそういった一連のことが周知され、イメージダウンにつながるのを恐れているはずです。
たぶん、またホームページで長々と、科学的に根拠のない言い訳を付け足すだけでしょう。