3年に一度の定期点検で、我が家を建ててくれた工務店の方が来られました。高気密高断熱の太陽熱床暖房を基本にしている工務店です。つくばは研究者が多いので変わった注文が多いそうですが、誠実に対応してくれます。たとえば我が家の場合、いろいろお願いした結果、揮発性有機化合物がとても少ない家になりました。産総研でボランティアを募っていたときにモニターしてもらったところ、例えば下記のように、外気より揮発性有機化合物が少ない日が多いくらいです。
普通、高気密高断熱の家は揮発性有機化合物がたまりやすいので、常時換気が奨励されます。でも私は確信犯的に、一度も換気していません。福島原発事故の時は、つくばの多くのお宅から「換気をオフにするのはどうするのでしたか?」とその工務店に電話が相次いだそうですが、うちはもともとオンにしていないので、換気で放射線の高い粒子が屋内に入る心配は全くしないで済みました。
ただし、こんなことができるのは、床暖房だからです。もし石油ストーブだったら、換気しないわけにはいきません。また夏の場合は閉め切っているわけにいきません。それで工務店の方に、
「ソーラーで床冷房って可能ですか?」と尋ねたところ、「原理的にはできるはずだからやってくれという注文があって、実際に建てました。でも足元が冷たいのは女性には不評のようで、そのお宅では奥様が夏はスリッパで対処されてます。」とのことでした。
これは化学物質過敏症の方には朗報かもしれません。ケミレス仕様とされるメーカーハウスは、換気を徹底することで化学物質への曝露を抑えるようにしているようです。でも過敏症の方のお話をうかがうと、隣の家からのタバコの煙とか、近所の公園で農薬を撒かれたなど、外気を換気したくない例が多いのです。我が家の工夫と太陽エネルギーによる床暖房・床冷房を組み合わせれば、ニーズにあったケミレス仕様に近づく気がします。