仕事始め

今年の仕事始めは、産総研での質量分析でした。ミンダナオ島の海草藻場から採ってきたサンプルの炭素・窒素安定同位体比を測りました。狙ったとおり、検量線のちょうどいいところにサンプルのピークを持ってくることができ、精度よく測れました。このあたりの勘はまだ衰えていないようで、大変満足。実験室でターボポンプやロータリーポンプの音を聞いているとすごく落ち着くし、やっぱり私は教授より研究員として分析やフィールド調査している方が向いていると、再確認。
測定は順調だったのですが、初日の立ち上げは大変でした。写真の上にある試料台から燃焼管・還元管(中央の金属の箱の中にある)を通って、右下にある吸湿管を経てマスに入るのですが、何度セットアップし直してもリークが止まらない。

仕方なくA社のエンジニアの携帯にSOSをかけたら、帰省中なのに取ってくれて、「その辺りに残しておいたメクラブタとゴムを使ってひとつひとつチェックしてください」とのアドバイス。ありがとう、いつかこの日が来ることを見越しておられたのね、と感謝しながら写真の道具を使ってチェックしました。シリコン栓は、今回、PDのT君のアイディアで新たに加わったリークチェックグッズです。

上流からひとつひとつ確認した結果、燃焼管・還元管のOリングが古くて、締めたときに変形してリークしていたことが分かりました。PDのT君と二人がかりで3時間かかりましたが、このノーハウを使えば、これまで勘でやってきたリーク対策がかなり合理化できそうです。