東大秋入学

1月19日の学内便で「将来の入学時期の在り方について−よりグローバルに、よりタフに−(中間まとめ)」が届きました。18日には既にマスコミが概要を発表していましたが、改めて報告書を読んで、これはまだまだ議論が必要だと感じました。
例えば5ページに
「今日の日本における大学と高等学校以下の教育との関係を見ると、大学入試への受験準備に高校生が多くの力を注ぎ、受験競争が低年齢化する傾向も生じている。
(中略)
しかし、このような受験競争は、ともすれば学び方を外発的動機に基づく受動的なものとしてしまう。そうした学び方は、大学で求められる「自ら課題を発見する」という主体的・能動的な学びとは異なるものである。大学入学前の受験準備教育の浸透、その一方で生じている大学に対する人材育成の要請の高まり(例えば「グローバル人材」への需要)は、こうした乖離を益々大きなものにしている。大学に入ってくる若者に対し、受験競争の中で染み付いた点数至上の意識・価値観をリセットし、学びに取り組む姿勢を転換させるため、いかにインパクトのある体験を付与するかは、大きな教育上の課題と考えられる。
この問題を是正・緩和していくためには、大学入試や入学後の初年次教育などの在り方を考えることが重要となるが、それだけではなく、大学の入学時期の在り方も再検討されるべき課題となろう。」
とありました。
この文章を読む限りでは、「大学入試や入学後の初年次教育などの在り方を考えることが重要」で、「入学時期の在り方『も』再検討されるべき」と、前者の検討とともに後者もという意味になると思います。しかし前者については、入学時期ほどは検討されていません。
たとえば、センター試験は私が最初に受験した世代ですが(当時は共通一次と言っていました)、その弊害は当時はいろいろ議論されていました。世界のトップ大学で、こんな全国一斉一発勝負の試験で足切りするところは少ないと思います。
頭の体操として、例えばセンター試験なしで8月に東大だけの入試にして(将来的にはセンター試験アメリカのように何度も受けて最高のスコアを提出できるようにして、大学では面接だけ行う)、合格したら高校の9月以降は免除にしてもらって、3月の卒業式だけ出席。優秀な学生を飛び級にするのと同じ感覚です。受験校は高3の夏休みまでには高3で学ぶべき内容を終えているようですし、大学に受かるということは、学ぶべき内容は習得したということだから、それほど問題にならないと思います。息子を見ていても、12月以降はほとんど高校に行ってませんでした。
東大の秋入学、これからどんな議論が展開されるのか、楽しみです。